デンマークと聞いて、皆さまはどのようなことを思い浮かべますか?
アンデルセンの描く童話でしょうか。それとも日本でも人気の洗練された北欧家具の数々や愛らしい雑貨でしょうか?実は世界で一番オーガニック商品が消費されている国としても有名なのです!今回はデンマーク大使館さまご協力のもと、オーガニックがどのようにデンマークの人々の暮らしに根付いているのかを取材してまいりました!

日常的にオーガニックと触れ合える国

訪問したときはちょうどクリスマスマーケットが立ち上がったばかりの12月上旬でした。あちこちにクリスマスマーケットが開催される中、メインであるホイブロ広場での様子をお届けします。

デンマークはハートモチーフを作った国!この度訪れたコペンハーゲンは♥があふれるステキな街でした。

ホイブロ広場は世界最古の歩行者天国、ストロイエを抜けた先にあります。
時期によるかもしれませんが観光客というよりは地元の方々がたくさん集まっており、生活の一部として親しまれているイベントだということがわかります。

陽気なお店の人たちとの会話も楽しいひととき

クリスマスマーケットで出会ったサステナブル

マーケットでグリュックやビールを片手にソーセージを食べるのが定番だということで、わたしたちもひとつ買ってみました。

「グリュック(Gløgg)」はグリューワイン(ホットワイン)のこと。赤ワインにオレンジピールやグローブ、シナモン、レーズンなど香辛料やハーブを一緒に煮込みます。身体が温まります!
焼きたてのソーセージをパンに挟んでホットドッグに

デンマークに流通している豚肉は、80%が放牧豚。こういったイベントも含め、デンマークでは選択しなくても日常的に食べているとのことでとてもうらやましい世界が広がっていました。

そしてもちろん、ゴミステーションは徹底した分別管理。というのも、デンマークではガラス瓶は回収し再利用することが法律で徹底されているのだそう。

道ばたに投げ捨てたりする人は見かけず、みなさましっかり分別し、ゴミ捨てをされていました。

デンマークの歴史

ではなぜこのように日常にサステナブルやオーガニックが根付いているのか、デンマーク農業理事会へお邪魔し、お話を聞いてまいりました。

歴史的に酪農などが主要産業であったデンマークでは農業理事会の推進力が大変強く、それは中心地周辺が全て農業理事会の土地であり貸し出しをしていることからもわかります。

独自の認証マークについて

買い物の際やレストランでは、どのようにオーガニック素材や食品を見分けているのでしょうか?みなさまはデンマーク商品を買ったときに、このマークを見かけたことはありますか?

こちらはデンマーク政府認証のオーガニックマークで、「Ø-label(オーラベル)」とも呼ばれています。デンマーク語の「økologi(オーガニック)」の頭文字とナショナルカラーの赤、そして王室を表す王冠のデザインです。世界でオーガニック認証団体ができる以前から運営されていました。

歴史的に独自の文化を貫き、豊かな食生活を送ってきたデンマーク人にとって身近なこのマークはなんと驚異の認知率97%だそう!デンマークの台所、トーハラネマーケットや、スーパーマーケットなど、いたるところで目に触れることが出来ました。

Ø-label付きの食材が日常にあふれています

では、レストランではどうでしょうか?
こちらも専用の独自認証マークがあり、入口付近に掲げることが法律で決まっているのだそうです。

「オーガニックキュイジーヌラベル」レストラン全体のオーガニック使用総量をあらわします

日本の多くのレストランでは、メニュー表に認証付のものが分かるように表記されていることが多いですが、デンマークでは逆。そうでないものについてメンション(表記)していることが多いそうです。こちらのレストランで頼んだものは、ドリンクも含め全てØ-labelかユーロリーフが付いていました。

国会議事堂内レストラン「TARNET(ターネット)」にて。デンマーク最大のレストラン組織「マイヤーズ」が運営しています(後述)
デンマーク独自の衛生管理基準認証である「スマイルマーク」。この看板をみれば、いつ誰によって審査を受けたのかが一目瞭然でわかるようになっています。認証機関で承認が通ると1スマイルがもらえ、3つ揃うと最高位の証。

旅行や出張での宿泊でもオーガニック、サステナブルを感じたい!ビオホテル認証付ホテルとは

カールトングルスメデンホテル

日本ではあまり耳慣れないビオホテル認証。世界にはそれぞれの基準を持ったホテルのオーガニック&エコフレンドリー実践の認定制度があります。その中で今回宿泊したホテル「カールトングルスメデン」はデンマークで最も古くからビオホテルとして運営している老舗と言われるところでした。

オーナーにインタビューを取ったところ「乱立する多くの基準の中で何を選択するかが大切です。当ホテルではUNとの連携機関であるGSTC ®(※1)の正式認証を直接受けたグローバル基準で運営すべきという理念で運営しています」とのことでした。現在は、それらの基準の一つであるGreen globe(※2)やGreen keyを取得されています。

※1 グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(The Global Sustainable Tourism Council)
※2 国内での取得ホテルはクラブメッドトマムなど2ホテルのみ(2023年1月現在)

自分にとって心地よいことは、きっとお客さまや地球にとっても心地よいはず。

部屋のリネン類はGOTS認証を受けたオーガニックコットン、アメニティはエコサート認証コスメや竹の歯ブラシなどが用意されていました。

認証取得のためにこのような取り組みをしてきたのではなく、自分に取っての心地よさを追求していたら結果として認定基準を満たしていたのだそうです。本当にステキな考え方ですよね!

レストランの朝食では95%がオーガニック認証食品を使用している証がランチョンマットに描かれています。

「まだ使えるものは捨てない」というモットーから、古いシャワーヘッドなどは某有名な研究機関で働いていた優秀なエンジニアを招聘することにより、技術で最新型へとアップデートするなど、モノではなくヒト(=考え方、技術)を新しくしていくという目からウロコのようなことを実践されておられました。

コペンハーゲンにはこのような取り組みをされるホテルが半数以上になるとのことで、旅の過程でホテルごとの取り組みを見て回るのも面白いかもしれません!

オーガニックを深く知る!有名レストラングループマイヤーズと農水省の産学連携教育プログラム

全国70の文化施設や公共機関内に給食を提供するほか、レストラン、ケータリング、料理教室などを経営する「マイヤーズ」は、デンマークを代表する組織です。

教育で全てはつながるという理念の元、コペンハーゲン市と連携して持続可能なフードカルチャー構築を行っています。
今回は一般のお客さまが普段通われているレストラン併設の料理教室「マイヤーズ・マルフース」に参加させていただきました!

マイヤーズ・マルフースが販売している料理本。1家庭1冊と言われるほど有名なんだそう。
ここではオーガニック食材の生産過程や素材の良さを先生に教えてもらいながら、フルコースを作ります。

市中や全国で実際にレストランを経営しているシェフ向けの教室もあり、このプログラムに参加するとオーガニックキュイジーヌラベルを自店で達成するための方策を教えてもらえます。

どうやってオーガニック野菜を望む価格で調達し、どう料理すればよいのかは仕入れ情報や気候変動の自動解析、レシピなどを提供する無償のデータボードを使用しヒントを得るられるのが特徴のひとつ。

このように国全体でオーガニックについての正しい知識を得ながら、自社に取り入れる支援プログラムも産学連携で開発しサポートすることにより推進されています。

北欧で出会った暮らしのなかのオーガニック、いかがでしたでしょうか?
近い将来、日本でもこうなるようにビオセボンではこれからも楽しいオーガニック食体験をご提案していきます。

ご参照:デンマークについての情報は下記「デンマーク王国大使館HP」をご覧ください。
デンマーク王国大使館HP https://denmarkfood.jp/

オーガニック食材を使用した料理教室のご案内

●Healthy Kitchen(ヘルシーキッチン)

ビオセボンで購入できる人気商品を使った料理教室をご紹介します。
“食と健康”をテーマにした「Healthy Kitchen supported by ABC Cooking Studio」との大人気コラボレッスンでは、毎月テーマを変えて、東京・名古屋スタジオで開催しています。
お料理初心者の方も大歓迎です。気になるテーマなどチェックして、ぜひお気軽にお申し込みください!

詳しくは下記予約サイトをご確認ください。
https://by-healthykitchen.com/